「全く、馬鹿な老人だ」
極度に落とされた照明の中、仮面を被った男がイライラと指を噛んだ。
足元では狗が心配そうに主人の様子を見ながら後を付いてまわる。
「トシマを大人しく渡していれば穏やかに済むものを…キリヲ!」
「あいよォ…」
「例の作戦を決行する!」
へいへーい、と返事をしながらキリヲが肩に鉄パイプを担いだ。
「何か不服かね?」
「まあなァ…その作戦てぇのは俺が鉄砲玉になるワケだろ?報酬は弾むんだろうなあ、オイ」
「勿論だよ、望みの物をいいたまえ。何がいい?金かね?
…君の場合アレのほうががよかったかね」
アルビトロが口にも出したくないといわんばかりに顔を顰める。
「今度は女よりさァ…あのクソヒヨコ、俺によこせや」
「ハァ?ヒヨコ???」
「オッサンの隣にいた金髪だよ」
意味が分からずに首を傾げるアルビトロにキリヲがニタリと笑う。
「ああなるほど……しかしお前は本当に変わった物を欲しがるな…
彼は私の好みではない。好きにしたまえ」
「どーもォ」
それだけ言うとキリヲはアルビトロの部屋を後にした。
自室に戻り、作戦の為の装備を整える。
フェイスマスクをスッポリ被り、オールテライン・カモフラージュ柄のパーカーを羽織る。
肩に担いだミツコさん、ブーツに携帯したサバイバルナイフ。
鏡で装備を確認しつつ軍に在籍していた頃を懐かしく思い出す。
「お、そうだ。確かイイモンあったなァ…」
バスルームに向かうと洗面所の戸棚を開ける。
乱雑に押し込まれている物を掻き分け目当てのブツを上着に忍ばせる。
あの身のこなし、キツい性格、派手な容姿、どれを取っても旨そうだ。
今日の予定を何度もシュミレートしながら屋敷を出る。
小さな瓶と白い錠剤が、ポケットの中で揺れた。
午前2時過ぎ、入口に居た見張りを音も無く殺し、豪勢な屋敷に侵入する。
場所の確認の為にもアルビトロに貰った屋敷内の地図を開いた。
「なんじゃこりゃ」
それはまるで子供の落書きのような絵でめちゃくちゃに書かれている。
「ビトロの野郎…ふざけてんのかァ??しゃあねえなァ」
見回りの男に背後から飛び掛って羽交い絞めにすると、ナイフを喉元に押し当てた。
「ひっ…!」
「死にたくなかったら静かにしろよ…ボスの部屋は何処だァ?」
「こ、この廊下の突き当たりだ…」
「へェ…じゃあそいつの愛人は何処に居る?金髪の馬鹿デカイ野郎だ」
「グンジならその向かいの部屋…」
それだけ言うと見張りは床に崩れ落ちた。
豪華なカーペットに血が広がる。
「どうもありがとさん」
ナイフに付いた血を拭うと、目的の部屋まで障害物を始末しながら真っ直ぐに進んだ。
「ここかァ…」
一際豪華な作りの扉を開け、ナイフを手に持つと部屋のベッドで眠っている男に近付く。
ポケットから瓶を取り出して中の液体を布に染み込ませると眠っている男の鼻と口に押し付けた。
「ぐっ!」
「静かにしてろよォ…」
血の付いたままのナイフを目の前に翳し首筋に当てる。
血走った目でキリヲを睨み付けていたグンジだがしばらくするとその焦点が怪しくなってくる。
「そろそろ効いてきたか?」
一旦手を離して上着を脱がせようとするが下から伸びてきたグンジの腕で首を掴まれた。
しかし意識が麻痺した状態では思ったように力が出せずにキリヲにするりと剥がされ、脱がせた上着でベッドに固定される。
おまけに口にさっきの揮発油を染み込ませた布を突っ込んでやった。
「お前すげえ墨入れてんなァ…」
グンジの胸と肩に入った入れ墨を見てキリヲは関心したように溜息をついた。
下に着ている物も全部脱がせて足を押し上げるとニヤリと笑う。
「ヤクザのイロやってるとよォ…こんなとこまで彫ってんのかよ」
尻に入ったタトゥーを撫で上げるとグンジが呻いて首を振る。
「ここはどんな感じなんだろなァ?お、形は綺麗だなぁーもっと使い込んでるのかと思ったぜ」
アナルに指を引っ掛けるようにして這わせるとビクリと身体が跳ねた。
「まあとりあえずこれでも喰っとけや」
キリヲはポケットから錠剤を取り出すと、指でそれをグンジの直腸の中に押し込んだ。
「…がほっ!!…げほっ!!!マジでヤメロ!!!」
口に押し込まれていた布を舌て押し出したグンジが唾液まみれになりながら噎せる。
「速攻性の薬だからよォ…すぐ天国味わえるぜ??」
「うっ…く…」
完全に瞳孔が開いてガクガク痙攣する身体を押さえ付けると、グンジの足首を掴んで大きく開かせる。
「あーすっげぇヒクヒクしてんなァ…開いたり閉じたりしてんぞ?」
「…ハァ…あぁー??…何だコレえー…ケツあっちいー…ハァ…」
ジロジロと間近でキリヲに覗きこまれても、意識が定かではないようでぼんやりと天井を見つめている。
「おーい聞いてんのかァ?」
ピタリとペニスをアナルに押し付けてグンジを揺する。
「あ……ンなとこにちんこ挿れんのかよ…ありえねぇー…」
「ん?あのオッサンにはヤらせてねえのかよ」
グンジが焦点の合っていない目のまま頷くと、キリヲは一気に腰を進めた。
「ひっ!…あああああっ」
「そうか初ガマか…得したなァ」
ガツガツと打ち付けながら腰を揺すると喉を反らせてグンジが喘ぐ。
「あぐっ!痛ぇ…ハァ…何だよこれ…ワケわかんねぇー…ちょーキモチイイー…イキそ…」
「何度でもイけるぜ?ひとまず一回イっとくかァ?」
パンパンに膨らんだペニスを擦ってやるとグンジは激しく痙攣しながら大量に射精した。
あまり激しい射精に呼吸が上手く出来ないようで咳込んでいる。
「…がはっ…ハァ…ハァ…」
「あー締まるなァ…」
キツく締まっているアナルの中を激しく突き上げるように腰を振ると、グンジが苦しそうに呻く。
「ぐ…ううっ…そんなにヤると痛ぇよー…」
「嘘つけ…またイキそうだろうが」
グンジの腕を解き、手で自分のペニスを握らせてやる。
「あっ…ハァ…あっ…」
手を重ねてしばらく一緒に扱いてやったが、しばらくすると自分の手で動かし出した。
「あーそろそろ時間がやべェなァ…終わりにすっか」
キリヲは腕時計をみるとペニスを引き抜き、それをグンジの口に突っ込んだ。
大人しくキリヲのモノを咥えながら自分の股間を扱いているグンジにたっぷり精液を飲ませてやる。
「あーいい仕事しだぜェ」
まだ薬が抜けずにベッドで虚空を眺めているグンジを放置してキリヲは作戦の総仕上げに入ることにした。
キリヲはグンジの部屋を出ると向かいの部屋に足を踏み入れた。
部屋の中央にある天蓋付きのベッドにナイフを構えて近づく。
「…ん?何だグンジ…わしは眠い…?ひっ!」
口を押さえ叫べないようにするとナイフで喉を裂いた。
こうなると長居は無用。部屋で伸びてるグンジを担いで帰るか…
「お疲れぇー」
ふいに背後からかけられた声に素早くナイフを構え直す。
「あァ?お前もう動けんのかァ?」
パサりと金髪が流れる。
そこには初めて会ったときとは打って変わって小汚い格好をしたグンジがいた。
「まーなー、フツーの奴と鍛え方が違うからあ!
つーか、ヴィスキオの訓練の賜物?教官殺しまくってたけど」
「…お前ヴィスキオだったのか」
「そそ、せんにゅうこうさくいん??よくわかんねー。
俺の予定ではジジイにヤられるとは思わなかったけど!
まーでもこれで俺も幹部の仲間入りって訳え。ヨロシクなー相棒!」
「へェ…そーかよ」
キリヲはため息をついた。
「あんだよ!俺と組めんだからもっと喜べよ!!!」
「あー、やっぱ女にしとくんだった…」
「ハァ?ま、とりあえずビトロからの手紙預かったぜ」
あっさり服を着て起き上がるとくしゃくしゃになった紙をキリヲに渡す。
『キリヲ、お仕事お疲れ様。
さっそくだがもし生きていたらそこのグンジを連れて
一足先にトシマに入って欲しい。
グンジは雇ってみたものの阿呆な上に凶暴で手に負えなくてな。
今回の作戦で切るつもりだったのだが
君なら上手く使いこなせるだろう。
それに私の考えた素晴らしい!イベントに是非とも
君達の二人の腕が必要なのだよ。では 〜adios〜 』
「なぁなぁ、なんて書いてあんの???」
グンジがキリヲの顔を覗き込む。
キリヲは盛大に溜息を付いていた。
手紙をライターで燃やす。
字も読めない馬鹿と相棒くまされるとは…先が思いやられる。
とりあえず、まぁ後でしっぽり報酬分はヤるかァ…など考えつつしつこく手紙の内容を聞いてくるグンジをミツコさんではつき倒したのだった。
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