見つめ合う
上下関係の激しいこの業界、上の立場の者が下の者を抱くことはよくある。
硬派や任侠などの思想はキリヲには無かったし、挿れる穴があれば何でもいいという考え方だった。
そうして若い衆の中から細身で容姿の良い男を見繕って何度となく部屋に呼んだりしていた。
(そういやあんまりコイツの顔見たことねェな…)
汗が光る黒いタトゥーの背を見ながらキリヲはふと思う。
最近トシマで勢力を延ばしているヴィスキオに潰された、地元ギャングの頭だった男でリンチを受けていたところをアルビトロに拾われたらしい。
受けた恩は返すタイプなのか、ビトロの命令はキッチリ守っているようだ。
ヴィスキオの幹部の連中には決して逆らわない。
「おい、こっち向けや」
キリヲが促すと男がゆっくりと身体をキリヲの方に向ける。
派手なタトゥーと長い金髪が覆う顔をまじまじと見るとその前髪を掌で掻き分けた。
細くて高い鼻の上、吊り上がったデカイ三白眼と見つめ合う。
「お前目付き悪いなァ…」
「うっせー、ほっとけクソジジイ」
最近態度が大きくなってきているグンジに口で奉仕させながらキリヲはのんびりとその顔を眺めていた。
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