独り占め




アルビトロの屋敷の廊下をピンクのパーカーを来た男が鼻歌とウォレットチェーンを鳴らしながら歩いている。
「今月はーがんばったからかなりあるんじゃね?」
茶封筒にずっしり入った札を数えながらグンジがニタニタ笑う。
「おォーそりゃすげぇなあ」
突然背後から現れたキリヲがグンジの封筒をひょいと奪い取った。
「!何すんだクソジジイ!!!」
突然目の前から消えた封筒を取り返そうと襲いかかるが、それより先にキリヲがグンジの頭を片手に持っていた鉄パイプで殴る。
「った〜〜〜〜〜〜〜!」
「全くお前はヒヨコ頭だよなァ…」
頭を押さえ転げ回るグンジを尻目にやれやれというようにキリヲが頭を掻いた。
「お前、この金何に使うつもりなんだ??言ってみろやァ」
「あ?…そりゃ酒とかぁー、服とかぁー、アクセとかぁー」
キリヲに殴られたことも忘れグンジは指折り楽しそうに話す。
「そうやってさァ…いつも使い切っちまってよォ。お前老後の貯金とか考えてんのか?年金も貰えねえしよォ」
「ねんきんってなにー?」
「普段からちょくちょく金払うとジジイになったとき毎月ちょっと生活費が支給されるって仕組みだよ」
「ジジ貰ってんの?」
「もうその制度はとっくの昔に破綻したんだよ…麻薬組織に労組もねぇしさァ…。だからよォ、俺が貯金しといてやるっつってんだよ。老後に二人で南の島でのんびり暮らす資金にするからよ。今俺がその為に貯めてる分と合わせてよォ」
「まじで?貯めてんの??」
「おう」
「まじでぇー!?」
「おォ」
「ジっジーイ!愛してるぜ〜〜〜」
目を輝かせてグンジがキリヲの胸に飛び込む。
「俺に全部まかせとけや…」
キリヲはニヤリと笑うとその金を持って屋敷を出ていった。



そしてやっぱりその金は今月のキリヲのパチンコ代に消えたのでした。









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